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ヒマワリよりヒマワリらしいといわれたのはゴッホの絵だ。本物のヒマワリ以上にヒマワリらしいなどということは、ありえない。どんなにしおれようと枯れ果てようと。それをあえてそのようにたとえたのは、彼の絵がヒマワリの生命をしっかりととらえ、表現していたからにほかならない。
以前、食べ物でそのような経験をしたことがある。パリ・サンルイ島にある氷菓子屋ベルチョンさんの店の、例えば桃のシャーベットがそれで、桃より桃らしさを感じさせる逸品であった。
ところで、わたしがいいたかったのは、こうした外国のことではない。杏より杏らしい、長野・小布施の「山屋天平堂」が作る杏グラッセのことである。長野の、敬愛するご婦人から届いた宅急便の封を切ったとき、鼻を打った香りにまず陶然とした。生の杏をはるかにしのぎ、それでいてくどさに堕さない、鮮やかなさわやかさを含んだにおいだった。
砂糖のシロップで、汁のなくなるまで煮含め煮詰めてある。長時間煮詰めれば、通常の場合だと香りに鮮烈さ、切れ味が無くなるが、この杏グラッセはそうではないのだ。
味の九割を香りが決定する以上、おいしさについては申し上げる必要はないだろう。軽いティザーヌ、たとえばカミツレのような、を用意のうえ召し上がれ。
もちろん電話注文でも送ってくれる。(以下省略)
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